偶然と想像という映画

買い物するときはほぼ、町の映画館の前を通る。
町の大通り商店街みたいなところにその映画館はある。
そこは、うれしいことに外国映画を中心に上映されるのだ。
映画といえば、なんたってポスターだ。
一応グラフィックデザイナーである私としては
外国映画のポスターが大好きだ。
ダイレクトでシンプルでカッコい。そんなのが好き。
だから、映画館前を通る時はついつい、ポスターをチェックしてしまう。
おっと〜、あれあれ、これって日本の映画じゃないかな?
そうだ、そうだわ。今日、見つけてしまった。
La Ruleta de la Fortuna y La Fantasía
これは、幸運のルーレットとファンタジアって訳すのかな?
とにかく、家に帰って、調べてみたら
「偶然と想像」というタイトルだった。
偶然についての3つの物語でオムニバス形式になっているそうだ。
日本の情報は結構見ているのだけれど、全く知らなかったこの映画。
ベルリン国際映画祭で金熊賞審査員グランプリを受賞していたなんて。
濱口竜介監督といえば、「寝ても覚めても」と、最近では「ドライブ・マイ・カー」の人だ。
いやいや、しかし「寝ても覚めても」を観たことがあるけれど、私としては感じるものが何もなかった。
はてさて、この映画はどうだろう。
それにしても、日本の映画をわが町で観られるのはうれしいものだ。
来週一週間だけの上映だけど、ぜひ行ってみたいと思っている。

ネットでこの映画のことを調べていたら
スペイン語に吹き替えされた予告編をみつけたよ。
興味がある方、どうぞ。
ちょっと、声の感じに不自然さを感じたのは私だけでしょうか。

ニンジンな日だった

先週末の日曜日、お昼前になんとなく時間が空いた。
家にいるのももったいないし、青い空に誘われて
こんな日は散歩が一番だと、ふと思い
なぜだかちょっとウキウキしながら歩いていた。
そうそう、前から行きたかった、町のはずれにある2000年前の遺跡場所へ行ってみよう。
日曜日はほぼ家にいて、なんだかんだとのんびり過ごしているので
町の様子がわからなかったが、
歩いてみると、日曜日の町は家族で散歩をしている人や公園で遊ぶ親子でいっぱいだった。
お店は閉まっているけれど、ウィンドウを覗いて気になる洋服や靴を指差しながら会話している人々がいたりして
そうだ、この風景、あったあった!なんて思いながら久しぶりに感じた。

遺跡場所に行って見ると、それほどの感動はなかった。どちらかというと
遺跡の向かいにある、建物の方が気になった。
それがその写真だ。
まだ修復中で見れないのだけれど、見れるその日が楽しみでならない。

この翌日に、友達と一緒に我が家で食事をした。
彼女は同じ町に住む韓国出身の女性だ。
彼女の人生は数年前までは韓国のごく普通の環境で過ごす、母であり、妻であり、ひとりの女性であったのだ。
ところが、そんな彼女に大きな出来事がやって来た。急にやって来た。突然に。
ひとつだけでなく、次から次へと変化せざるを得ない出来事がやって来たのだ。
彼女は小さな頃から文章を書くのが大好きだったが、暮らしが普通過ぎて書くことがなかったそうだ。
でも今の彼女は、自身の人生の変化の物語をおもいっきり書ける時が来たのだ。
そんな彼女は今、ブログで日々の出来事を綴っている。
今、住んでいる町ラ・ガリーガでの日常を描いているが、
きっと、その次のステップでは、今の彼女になるまでの物語を描くはずだ。
韓国語だけれど興味がある方はこちらを。

彼女が遊びに来た時、
なぜか私が用意した料理は、ニンジンサラダ、ニンジンの入ったカレー、そしてスイーツはキャロットケーキだった。
ニンジンをポイントしようと企んだわけではなく
偶然そうなってしまったのだ。
彼女に言われて人参ばかりだということに気がついた。
我が家の窓から差し込む、ニンジン色の太陽の光を浴びて幸せそうにしている。
彼女は、この町の日常を描いた本を出版するのが今のひとつの目標で
私は彼女の文に添える写真を撮ることになった。
この目標はいつ実現するかわからないけれど
叶えたいと思っている。
とにかく思っているのだ。

脳が動く感じ

この写真はLa Domaラ・ドマという教会。
我が家のベランダからその素敵な建物が遠くによく見えるのだ。
歩いて10分ほどのところにある。
先週末の日曜日に合唱と町のオーケストラのコンサートがあるという告知が
散歩途中の壁のチラシで知ったので
夫と一緒に聴きにいってきたのだ。
合唱団は、年金生活に入っているだろうお年頃のおじいちゃんたちのグループだった。
歌声がどうのこうのというよりは
人生をこうやって楽しんでいる。それが、微笑ましくていいなぁと思った。
おじいちゃんの家族たちが見に来ていて、ビデオを撮ってスマホにおさめていた。
そういう風景がいいなぁ。心が温かくなってしまった。

さてさて、脳が動く話だけれど
朝の運動はコロナが始まってからは
YouTubeを見ながら音楽に合わせて体操などをしている。
その最後にカラダをクールダウンさせるために
YouTubeで5分間のシンギングボウルの音を聞きながらヨガマットに寝転んでいる。
このシンギングボウルの音が脳を刺激しているみたいなのよ。
音が出る。私の場合。その音が頭の中に映像として出てくるのだ。
最初の音がボン〜と放たれて、その後
ホワンホワンホワン〜とかウィンウィンウィン〜とか残音が出るわけなんだけど
その音が、脳の中で転がって脳内の筋肉?かな?何かそういったものが
動くのだ。
なんだかその感じが心地よくてとても気に入っている。
YouTubeで瞑想、シンギングボウルと検索をすると出てくるはず。
気になる方、ぜひお試しを!

トランペットの形だよ

この時期、おいしいものが店先に並び
頭の中は食べたいものリストがどこまでも続く続く〜。

写真のきのこはトランペットの形をしたもので
その名もTrompeta Amarillaトロンペタ・アマリーヤ直訳すると、黄色いトランペットという。
これ、ニンニクとパセリをみじん切りしたものとオリーブオイルをフライパンに入れて火にかけ
香りが出てきたところで、このトロンペタを入れて炒め最後に塩、胡椒をパパッと。
とっても簡単だけれど、とってもおいしい。
私の大好物。
秋のパエリヤにはこのきのこを入れたりする。
これも出汁がきいておいしいのだよ。
でも、きのこって、山盛り買ってきたはずなのに
炒めて出来上がると水分が出てしまうのか、たったこんだけ?ってことになるのだ。
だから、見た目より多めに買ったほうがいい。
これ、きのこを買う時の大切なポイントだ。

今、我が家のベランダで去年買ったかわいい椿が咲き誇っているのだけれど
天気が良いのでどんどん開花して、もうすぐ蕾が終わってしまう〜と
寂しい。今はうれしいけど。
この椿に、ここのところ大きな蜂が一ぴき、毎日ミツを吸いに来ている。
花開いた椿のすべてのミツを独り占めして吸っているのだ。
ところで、そのミツはだいたいどのくらいの量なんだろう?
ふと、疑問に思ったのであった。

ーここからは数日後の追加文ー
そうそう、きのこトロンペタの話だけれど
夫が言うには
カタルーニャではCamagrocカマグロック、もしくはRossinyol del Piロシニョールデルピと言うとのことだ。
こちらが本当の名前だろう。
私、間違えちゃったわ。失礼。

嬉しすぎたこと

ここのところ、急に寒くなってきて
衣替えを先週末にしたところだ。
わが町ではセーターやジャケットを着込んだ人たちが目立ってきている今日この頃、
そんな時に海辺の街、Badalonaバダローナへ友人に会いに行ってきた。
寒いけれど暑い!暑いけれど寒い!
あぁ、こんな時に何を着たらいいの?
と思いつつ、あっ、もうこんな時間。電車に乗り遅れる〜
と、ばたばたとしながら走って駅まで。
電車に揺られてほぼ一時間。
この地中海沿を走るR1のラインに乗って行ったのであった。
山暮らしなので、久しぶりの海は新鮮で清々しく、いいわ〜。

さてさて、話はわが町のことに戻るのだけれど
わが町には美味しいお菓子屋さんがない。
バルセロナの街へ行けばそれなりに色々あるけれど
去年のロックダウンで気がついた。
町から出られないから買えない。
我が町の甘すぎるスイーツに絶望の日々だった。
それからは日々、日本のスイーツ思いを馳せ
しかもコンビニで簡単に手に入る、日本のスイーツが恋しい〜。
と、思っていた。つい、この間までは。
ところが、な、なんと、わが町にお菓子屋さんができたのだ。
オーナーの容姿を見る限り、スペイン人ではない。
しかも、お菓子だけではなく、カフェも併設している。
最高に嬉しすぎる大ニュース。

間違いなく、これから週に一度は通うことになるだろう。
とにかく、願いがひとつ叶った。
あとは、おいしいパン屋さんがあれば。
神様、お願いいたします。