八百屋さんの花

 

土日くらいはゆっくりのんびり長時間、寝ていたいものだ。
毎週土曜日に住んでいる町で朝市があるので、いつもより遅くまで寝てはいるものの
早く行かなきゃ新鮮な野菜が売り切れるかも、、、と
気持ち焦りながら土曜日の朝を過ごしている。

朝の市場では、野菜などの他
とりの丸焼き屋さん、パン屋さん、チーズ、サラミなどの加工食品屋さんもお店を出している。
食べもの以外だとクッションやタオル、枕などを売るお店、調理器具店、花屋さん
あとは、とっても手頃な値段で買える洋服やアクセサリー屋さんもあり、
こういうのを見るのが大好きだ。
特に夏の洋服はシンプルなデザインで動きやすく安いので
毎年1、2枚は買ってしまう。
自分に似合いそうなものをいろいろ見ているのだけれど
時々、洋服のデザインの色彩が強烈なものとか、ヒョウ柄やトラ柄などにラメがはいってキラキラだったり
動物のその顔がお腹のあたりにはち切れんばかりに大きくプリントされているものに遭遇する。
わーぉ!

朝市で毎週買うものは
野菜だ。
いつも、買っているお店では
ハーブも売っている時があるので、あれば買っている。
カモミールやチャイブ、ルッコラが一緒に束で売られていたので
買ってみたら、チャイブに紫の花がついたのがいくつかあったので
ビンに挿してみた。
いつも食べている野菜は、食べる実だけしか考えたことがなかったけれど
考えてみれば植物だもの、花があるんだよなぁ〜。
生けた花を見ながら、かわいいなぁ。と思ってしまう。

カモミールの花を生けていたけれど
ちょっとクタッとしてきたので、花だけとって4日間ほど乾かして
お茶にしてみた。
飲んでみたら以外と香りは控えめだったが
黄色いお茶の色がとても新鮮で、気分が上がった。
今日も健康でがんばるぞ〜。




未来のために

このカワイイ冊子、なんだと思う?
実は、わが町のゴミに関する手引書なのだ。

住んでいる町La Garrigaラ・ガリーガでは
先月末から新しいゴミのルールができた。
プロジェクト名はPORTA A PORTAポルタ・ア・ポルタ
英語でいうdoor to doorの意味だ。

以前は町のあちこちに1紙だけ、2プラスティックと缶、3瓶、4オーガニック、5その他の5種類のゴミ箱があって
24時間いつでも何時でも捨てることができたのだ。
ところが、今や新しいシステムとなり
ビン以外はいつでも捨てることができなくなったのだ。
始まったばかりで、戸惑いながらゴミ分別の日々を過ごしている。

我が家は去年から夫がコンポストに興味があり、
オーガニックゴミに関しては家に特別な箱を作って処理をしはじめたので
野菜、くだものなどの皮の選別はわかりやすいので問題なく続いている。
ただ、町で始まったルールに従うのがやはり最初の一ヶ月は結構とまどうことになりそうだ。
今でも、輪ゴムはどの分野のゴミになるのだろう?とか
爪切りの爪はどの箱だろう?
最近ゴミを見ると分別しなくてはいけないので、イラッとするのだ。
あら、この感情はいけないわね。
とにかく手にしたゴミをどこに入れるか、冊子を基準に考えなければいけないというのが辛い。
こうやってみると、この世界にはいろんな種類のゴミが存在することを認識せざるをえないことに気がついたのだ。
これはみんなが認識すべきことだと思うし、したほうが良いことだ。
認識すると、自然とゴミを増やさないように行動するようになるのよ。
人間ってここまでしないとわからないものなね。
実感した。
コンポストだけやっても、これはわからなかったことだった。
日々、目にする様々な素材。それをゴミとして捨てるときに
これはビニール系だからこの箱へ、これは紙でできてるパッケージだから紙の箱へ
人間はありとあらゆる素材とご対面しているのだよ。
実際、ゴミを増やしたくないという気持ちになって
余計な袋(洋服屋さんで服を入れてくれる豪華な紙袋や八百屋さんで野菜を入れるビニール袋など)は
もらわないようになった。
始まって二週間ほどで、この感情が芽生えるってすごい。
さすが、人間の心理をついている。

環境問題はここ10年が勝負だと言われている。
こういったゴミの厳しいルールは最初の一ヶ月が面倒なだけで
その後は自然と身についていくものだ。
反対運動をしている人もいるけれど
やらないとう決断は、もう無いのだ。
それくらい環境問題は切羽詰まった問題なのだ。

このバケツは町の各家庭にくばられたもの。
指定された分別の曜日に住んでいる建物の前に出す。出す時間は夜の8時から9時の間。きっちりのそ時間じゃなくても大丈夫。
夜中にゴミの収集が行われ、翌朝、自分のバケツを持ち帰るというシステム。

失敗は成功、成功は失敗

チーズケーキが大好きで、いろんなところのチーズケーキを試してみたけれど
どれも私好みのものがなかった。
バスクで美味しいといわれていた、あのバルのチーズケーキも食べたけれど
とくに感動もしなかったのだ。
最高というチーズケーキにはめぐりあっていない。
でもよくよく考えてみたら、実はチーズケーキがそれほど好きではなかったのかも
最近はそう思いはじめた。
好きだと思っていたものが、実はそうでもなかったということなのだ。

ここのところ、ロールケーキにはまっている。
いろんなケーキ作りの人のYouTubeを見て、研究している。
最初に作ったロールケーキは泡だてが足りなかったのが原因らしいのだが
焼きあがった時に表面の茶色い部分が手にひっついてしまった。
動画を見て知ったことだが、それは失敗例だそうなのだ。アハハ、、、。

今度こそはきちんと泡だてをしてひっつかないようにしよう!
そして、今回作ってみたら、大成功。

ところがどっこい、最初に作った生地は泡だてが少なかったのだけれど
生地がとっても美味しかったのだ。
自分で言うのもなんだが、プロのような味だった。
でも、今回はしっかり泡だてをしたので焼き上がりの茶色い部分は手にひっつくことはなく
巻きもきちんとできたのだ。
ただ、生地の味はイマイチだった。

この二つを自分なりに評価をしてみると
最初の失敗した方がとっても美味しかったし
手にひっついても、オッケー。ロールにしなくても別にいいじゃないか。
生地を重ねてショートケーキにしてしまえばいいのだよ。
美味しい方が断然いいじゃないか〜。
という結果になった。

失敗や成功はこの場合、勝負する必要がないということなのだろうなぁ。

と、思った今日であった。

それでは良い週末を!

やっと手にした雑誌 Apartamento

探しました。この雑誌をずっと。5ヶ月間も。
そして、先日やっと手に入れたのだ。
嬉しい。

親友を通して何度かお会いしたことのある写真家の松本路子さん。
その彼女がNiki de Sant Phalleを撮った写真がバルセロナの雑誌に載るということを知ったのが去年の11月。
急いで住んでる町の本屋さんに注文しに行ったのであった。
その店主は浮かない顔をして注文を受けようとしなかったが、
私がどうしても欲しいことを伝えたら、渋々うけてくれたのだ。
一週間後には入荷すると最初は言っていたのにもかかわらず、
二週間後に行ってもまだ来ないという。その後はずっと連絡もしてくれなかった。
年末前に行ってみると、残念ながらその雑誌は入荷できないと断られたのだった。
なんてこった。
でも、ここの店主はいい人なのよ。ただ、この雑誌の入荷ができないということなの。
そう、バルセロナというか、おそらくスペイン全体だと思うのだが(例外もある)
雑誌は基本的に本屋には無くてKioscoなどの売店で売られるのが一般的なのだ。
ただ、今回の雑誌「Apartamento」は美術系なので美術書専門コーナーなら置いてあるはずなのだ。普通なら。
小さな町の小さな本屋では扱えないということなのだろう。
そんなこんなで、年初めからバルセロナの街に出るたび探し始めた。
でもKioscoも見たけど無い。
美術書コーナーのある本屋さんを少しずつめぐったが、あっちもこっちも無い。

なぜ?

この雑誌、バルセロナにオフィスがあり、印刷はバルセロナなのだ。
どうして見当たらないのだろう。
本当に不思議なのだ。
そして、先日バルセロナの現代美術館MACBAのミュージアムグッズコーナーに行ってみた。
レジのお兄さんに雑誌「Apartamento」を探していると伝えると
コンピュータで色々探してくれた。そして、彼は「ある」というのだ。
えっ〜、どこに。と次の瞬間、彼の口から出た言葉は、
ここではなくCCCBの本屋だというのだ。
また、歩くのか、、、と思ったけれど、その本屋はここからすぐ近くなのを思い出した。
しかもMACBAのミュージアムグッズの美術本とCCCBの本屋は同じLaieという本屋が経営しているらしい。
そんなことも、この雑誌探しの旅で知ってしまったのだ。(ローカルな話ですみません)
目的の本はすぐ近くにあるぞ。さぁ、善は急げ〜とワクワクしながらCCCBへ向かった。
あった!あったのだ。

でもね、実は1月にこのCCCBの本屋に来たのよ。
その時は店員に聞いたけど無いって言われたのだ。
まったく、どうなってるんだこの国は。

まぁ、終わりよければすべて良し。ということにしよう。

とにかく、自分の手元にこの雑誌があることがとっても嬉しい。
写真家 松本路子さんが撮るNiki de Sant Phalleの写真が大好きなのだ。
この雑誌の特集では13ページにわたり10点の彼女の写真が掲載されている。
興味がある方はCCCBの本屋へ急げ!(バルセロナ在住の方)
日本では表参道の青山ブックセンターにあるそうです。(去年の12月のことですのでご確認を)
ただし、現在最新版のNo29が出ているが
Niki de Sant Phalle特集はNo.28。
お間違えのないように。

それでは良い週末を。

写真家 松本路子さんのホームページはこちら
雑誌Apartamentoのホームページはこちら

ちょっと散歩にでてみたら〜

セマナサンタ(イースター)で夫が久しぶりの4連休だった。
近場にちょっとドライブに行ったが
三日目は住んでいる町を散歩しようということになったのだ。
そういえば、行ってないルートがあったよね。ということで
町のはずれにあるハイキングコースに行ってみることにした。

ちょっとした公園のようなところの奥へ入ると
トンネルがあり、そこをくぐったら
5、6メートルほどの高さの土の壁が片側に沿って続いていて
10年ほど前に行ったチュニジアのスターウォーズの撮影場所のような風景だった。
なんとなく、思ったのだが
この土壁の向こうは何があるんだろう。
そんなことをふと思い、目を凝らしてみたら
少し先に小さな登りやすい小道があったので
夫と二人でそこを歩いてみたのだ。
登り切ると、なんと、なんと!
木々のアーチの向こうに、驚きの風景があった。

手前には真っ赤なアマポーラ(ケシの花)があり、黄色い菜の花が見渡す限り続いているのだ。
風にゆらゆらゆれている。いい風だ。
しかも、絶妙な位置に木が立っていて、より写真映えするではないか。
夢なのか、天国なのか。
それにしても、この場所に夫と私だけしかいないのだ。
ひとりじめ?いや、ふたりじめか。
すべての運を使い果たしてしまったかのような
ラッキーとチャンスが同時に来てしまったようなこの日。
そして、とってもいい天気だ。
赤、黄、青。
私、デザイナーなのでフォトショップは使えるけれど
この写真は修正なしよ。自然の見たまま、そのまま、あのままの色なのだよ〜。

自宅から徒歩30分ほどのところに
こんな絶景があるなんて。
何枚写真を撮っただろうか。
この風景をみていたら、何枚撮っても、何枚でも撮りたくなってしまうのだ。

帰る頃になって、女性が犬と散歩にやって来たり、熟年カップルがリュックをしょってハイキングに来ていたり。
このお花畑で見かけたのはたったの3人と1ぴきだけ。
みんなこの場所を知っているのか、知らないのか?
知ってるけど秘密にしているのか、どうなのか?

秘密にしたいけど教えてあげたい。
見せてあげたい。
見に来て感動して欲しいのだ。