ニンジンな日だった

先週末の日曜日、お昼前になんとなく時間が空いた。
家にいるのももったいないし、青い空に誘われて
こんな日は散歩が一番だと、ふと思い
なぜだかちょっとウキウキしながら歩いていた。
そうそう、前から行きたかった、町のはずれにある2000年前の遺跡場所へ行ってみよう。
日曜日はほぼ家にいて、なんだかんだとのんびり過ごしているので
町の様子がわからなかったが、
歩いてみると、日曜日の町は家族で散歩をしている人や公園で遊ぶ親子でいっぱいだった。
お店は閉まっているけれど、ウィンドウを覗いて気になる洋服や靴を指差しながら会話している人々がいたりして
そうだ、この風景、あったあった!なんて思いながら久しぶりに感じた。

遺跡場所に行って見ると、それほどの感動はなかった。どちらかというと
遺跡の向かいにある、建物の方が気になった。
それがその写真だ。
まだ修復中で見れないのだけれど、見れるその日が楽しみでならない。

この翌日に、友達と一緒に我が家で食事をした。
彼女は同じ町に住む韓国出身の女性だ。
彼女の人生は数年前までは韓国のごく普通の環境で過ごす、母であり、妻であり、ひとりの女性であったのだ。
ところが、そんな彼女に大きな出来事がやって来た。急にやって来た。突然に。
ひとつだけでなく、次から次へと変化せざるを得ない出来事がやって来たのだ。
彼女は小さな頃から文章を書くのが大好きだったが、暮らしが普通過ぎて書くことがなかったそうだ。
でも今の彼女は、自身の人生の変化の物語をおもいっきり書ける時が来たのだ。
そんな彼女は今、ブログで日々の出来事を綴っている。
今、住んでいる町ラ・ガリーガでの日常を描いているが、
きっと、その次のステップでは、今の彼女になるまでの物語を描くはずだ。
韓国語だけれど興味がある方はこちらを。

彼女が遊びに来た時、
なぜか私が用意した料理は、ニンジンサラダ、ニンジンの入ったカレー、そしてスイーツはキャロットケーキだった。
ニンジンをポイントしようと企んだわけではなく
偶然そうなってしまったのだ。
彼女に言われて人参ばかりだということに気がついた。
我が家の窓から差し込む、ニンジン色の太陽の光を浴びて幸せそうにしている。
彼女は、この町の日常を描いた本を出版するのが今のひとつの目標で
私は彼女の文に添える写真を撮ることになった。
この目標はいつ実現するかわからないけれど
叶えたいと思っている。
とにかく思っているのだ。